山口 潤
代表取締役社長
三菱製鋼グループは、特殊鋼の製造・加工をコアコンピタンスとする総合素材・製品メーカーとして、長年にわたり発展してきました。その歴史は1904年、前身である東京ばね製作所が紡績機械用の小ばねの製造を開始したことに始まります。当時のばね材料は、国内での生産はわずかで、ほとんどが欧米からの輸入に頼っていました。第一次世界大戦の勃発とともに、材料の調達が困難になったため、ばねの生産を継続するために、東京ばね製作所は自社で特殊鋼の製造を開始しました。こうして、当社は「スタートアップ」という言葉が生まれるずっと以前から、ばねを作るために必要な材料を自社で生産するという、真の「スタートアップ」として活動したのです。以来、材料から最終製品まで、自社で必要なものをすべて製造し、それに伴う課題に挑戦し続けることが、当社の企業DNAの一部となっています。.
私たちは、2023年度から2025年度までの3年間を対象とする2023年度中期経営計画において、様々な施策を推進しております。「変化の時代に、人・技術を活かして、勝ち続ける」をスローガンとし、2030年の理想像からバックキャスティングすることで、現状の3年間で達成すべき目標を盛り込んでいます。私たちが事業を展開するビジネス環境は、ESG(環境、社会、ガバナンス)への意識の高まり、電動化・デジタル化の加速、地政学的リスクなど、信じられないほどの速さで変化し続けています。中期経営計画で掲げるコア事業の収益力強化、戦略事業の育成に加え、従来の枠にとらわれない新たな価値創造・提供を通じて、変化への適応力と持続的な成長を実現してまいります。これは、当社のDNAである「挑戦の精神」を活かすことでもあります。市場中心のアプローチに基づき、顧客ニーズを満たす製品を開発・提供するとともに、社会の進歩に貢献することなどにより企業価値の向上を目指す全社的な取り組みを通じて、ステークホルダーの皆様のご期待にお応えしてまいります。これら一連の取り組みに対し、引き続き皆様のご指導、ご支援を賜りますようお願い申し上げます。.